タロット大アルカナ「１３」番目は「死神」です。
「死神」も不吉なイメージですが、「１３」という数字も西洋では良いイメージとは言えません。
それはキリスト教から来ています。
イエスを裏切ったユダが１３番目の使途だからです。
「１２」の数字は「終わらせる」「突破させる」の意味合いになりますが、
世の中には完全なる体系は存在しないので、どこかに綻びがあります。
逆にいえば、完全なものだと次のステージに行く必要もないので、成長もありえません。そこで「１３」の能動的な力が必要となってきます。
「１３」は「１＋３＝４」で、皇帝の逆相に当たります。
「４」の「皇帝」は表面上は積極的ではなく、
沈黙の中でモノ言わぬ圧倒的な支配力を発揮します。
どちらかといえば、地下の王のような感じで、個人の意識の中で浮かび上がってこない統合原理みたいなものです。
普通は何も問題がなければ、無いに等しいような存在です。
ただ、「４」の皇帝は「安定」「基盤の維持」として重要なのですが、
その共同体に関わっている人に共通の価値観を強要する点が欠陥といえます。
「１３」はこの強要する欠陥をフォローします。
「１３」は「１２」の完結を終わらせる働きがあり、「引き締める」効果があります。
「４」の「皇帝」の言う事を誰も効かなくなったときに、
「１３」の「死神」が死のイメージをチラつかせるのです。
「死神」には無からのリバウンド効果があり、
マンネリを打破したり、トラブルなど様々な出来事を一旦終わらせます。
ウェイト版タロットの「死神」は、法王もいますし、力の女性も登場します。
「死」は誰にも逃れられないのです。
また太陽は諸説ありますが、１つは沈みゆく太陽として命の灯火が消える象徴。もう一つは登る太陽で、死によってのみ新たな生命の誕生があるという象徴です。
「死神」の旗には、白百合が描かれていますね。
つまり生産。再生を象徴しています。
マルセイユ版タロットの「死神」では、死神が鍬のように鎌をもたげ、畑を耕しているようです。
畑には首や手足が転がっています。すなわち、首や手足は「種」なんです。
ここでも「死によってのみ新たな生命の息吹が生まれ出でる」暗示を示していますね。
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