タロットでも大アルカナは特別ですよね。
それは人生の大道を示すからです。カバラの思想を色濃く反映しているのも大アルカナですね。小アルカナはもっと日常的で現実的ですから。
さて「０」番が振られている「愚者」から始まり、ちょうど１０枚目のカードが「９」番が振られている「隠者」です。
※エジプシャンタロットデッキなどの一部のタロットデッキでは、「愚者」は「22」番となっていますが、ほとんどのマルセイユ版・ウェイト・スミス版では「０」番です。
実は大アルカナは二層構造になっています。
「愚者」を筆頭に現実的な世界と精神的な（魂的）世界です。
「隠者」はちょうど現実的世界の完成を暗示させます。
「隠者」はこれから「心の旅」を始めるところなのです。
「愚者」から「隠者」までは登場人物は、皆、現実世界のものです。「力」は「力の女神」と呼ばれていますが、現実的な人間と考えましょう。それは「死神」に登場しているからです。死が存在するならば人間という証ですから。
そして「運命の輪」でいきなり、変な生き物たちのオンパレードです。
「転換」「ターニングポイント」の役割ですね。マラソンの赤の三角ポールのような役目です。「運命の輪」に出てくるものは、「蛇（黄）」「スフィンクス（青）」「セト（赤」に、周囲には四大獣が控えています。「人間（水）」「鷲（風）」「獅子（火）」「雄牛（地）」の四大元素の象徴ですね。
エノク書にも書かれている四大獣です。
エノクは敬虔なキリスト教で、預言者でもありました。実際に生きた状態で天界を旅したのです。その後、メタトロンという天使に昇天します。弟はサンダルフォンという天使になっていますね。
話がそれました・・・
「正義」から「世界」までは、すべて精神世界です。
生身の人間はでてきません。
「正義」は「正義の女神」といってプラトンの「国家」に出てくる四大徳の１つ「正義」の擬人化ですから。「吊された男」も頭から後光が射しています。神・・イエス・キリストの証ですね。１３番以降は人物的なカードは出てきません。「世界」も中央にいるのは女神です。
というように、現実世界の経験を積み、精神世界への経験を積んでいく過渡期として「運命の輪」が存在しているわけです。
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