ギリシャの哲学者ピタゴラスは、「2」の数字は「無知」「劣る」を示していると述べました。
偶数は分割できるので強度がないからです。
「2」は女性的な性質を表し、自分からは何も働きかけない受動的な性質と言われます。
でも「2」はあらゆる可能性の母なる数字で、すべての可能性はこの「2」から発生すると考えられています。
この「女教皇」はギリシャ語では女の知恵を意味し、神の配偶者として尊敬されるものです。
「2」の数字で連想される言葉として「二元論」「二律背反」などがありますが、
これは、あくまでの第三者の立場からみた場合の視点です。
実際は「2」分割された一方からは、自分以外の他者しか見えません。
そのため、自分と他者しかいないために、可能性を選択するまでの意識はまだ生まれてきません。
自分自身を主体として他者を考えるため、自分自身の資質に縛られ、完璧に自由に可能性を生み出すことはまでできないわけです。
「女教皇」のカードは、書物を持っています。西洋占星術の第二サインの牡牛座も、20度になると除持つという意味がでてきます。書物といっても「遺伝的な資質」という意味で、どちらかと言えば生まれ持った資質・才能・本能によって生きる選択しかないことを示しています。書物は人間の根源的な知識の暗示と言えます。
「1」の魔術師が環境の下で始まった物語が、そのままの状態で書物に変換されて「2」の女教皇に移植されており、書物として保存されているからこそ、逆に愚者に退化しないで済むとも言えます。
「2」は人間の原初の記憶・・原罪・・本能・・理性の根本を保管したものを、掘り起こそうとしているとも解釈できそうです。
「女教皇」は冷静で思慮分別があります。
ウェイト版タロットでは、「女教皇」のオブジェが(背景の海を除いて)全て、人工物だとわかるでしょう。
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