今回は「連想法タロットリーディング法は第一次連想で終わっては、決して読めない。」がテーマです。
言い変えるならば、タロットは抽象的な表現ではリーディングでは無く、具体的で無ければいけない、ということです。
前章でも語ったのですが、このテーマも皆さんは子供の頃は意図も容易くできたはずです。
むしろ抽象的な表現のほうが難しかったはずです。
子供の頃は、学校で「・・・・で・・・が・・・だった」と具体的にお母さんに語ったはずです。
社会に染まるに連れて、具体性が欠け、抽象的な表現しか出来なくなってしまいます。
これには幾つか理由があります。
一つはTVの見過ぎ。
ドラマでも映画でも、映像なので具体的な表現としての言葉遣いは不要です。
実際、映画「指輪物語」は観た事があるでしょう。
しかし、実際のイギリスのJ・R・R・トールキンによる長編小説の「指輪物語」は、
膨大な文章量です。
文庫版で10巻まであります。
もう一つはTVゲームの影響。
「遊ぶ」とは工夫して考えるものです。
どうやったら、高い樫の木にいるカブトムシを獲ることができるだろう?と試行錯誤します。
しかしTVゲームは一切、現実的な工夫を要しません。
これを合わせて、読書をしなくなったことも謂えます。
読書の場合、長い文章を読み、自分の頭の中にリアルな映像として描き出さなければなりません。
これは実は非常に脳を使うことです。
またインターネットも理由の一つに挙げられます。
ネットでは長く細かい文章がありません。
新聞ならば非常に長い文章が、youtubeなら「ただ見ている」だけで済みます。
スマホやガラケーでも長い文章は読まれません。
よって創る側も意図的に、短い文章になってしまうわけです。
最後に両親や教師の影響が考えられます。
ゲーム世代の両親は、我が子に具体性を求めません。
「今日、学校で何かあった?」
「いいや。特に何も無いよ。」
で会話が済んでしまいます。
同時に「教育」というもの・・・もっと謂えば学問というものは、具体的な事例を元に一般化する一連の行為です。それには思考も含まれます。
特に数学・物理学・化学は、具体的な事象を抽象化する学問ですね。
今回は「一次連想」とか「二次連想」とか耳慣れない言葉がでてきました。
これは「ことばの発展化」のことを謂います。
例えば実例として・・
「彼と復縁したい。復縁する助言が欲しい。」という相談内容があったとします。
実際の鑑定では、もっと状況説明など長く相談してくるでしょうし、
逆にこのような短くストレートな相談ならリヴィジョンして、相談内容をもっと具体的にしていかなければなりません。
さて「彼と復縁したい。復縁する助言が欲しい。」という相談に対して、
タロットをドローします。
そしてタロットを読むわけですね。
現実的な話をすれば、私は鑑定は1分200円という料金体系でやってきました。
※今はもっともっと高額です。また法人契約しかやっていません。
1分200円なら、1時間で12000円です。
仮に12000円支払って、「彼ともっとコミュニケーションをしてください」と占い師に言われたならば、
貴方はどのように感じますか?
12000円ですよ。それだけ支払って「彼ともっとコミュニケーションをしてください」です。
腹が立ちますね。お金を溝に捨てたような気になります。
彼とコミュニケーションがスムーにできれば、わざわざ占いに来ないのではないでしょうか?
非常に抽象的です。
具体的なアドバイスなら、最低限、以下の事をタロットリーディングするはずです。
1.彼とのコミュニケーションへの持って行き方
2.コミュニケーションの種類(メール・電話・会話・・・)
3.コミュニケーションの話題
4.コミュニケーションの頻度
5.コミュニケーションの時間帯・タイミング
6.コミュニケーションでのことば遣い
7.コミュニケーションする場所
8.コミュニケーションする時点での心の持ち方=メンタル面のアドバイス全般
これは実はビジネスで言われるマーケティングと同じなのです。
ここでは5W1Hを使っています。
一番聴きたいことは、「どのように」コミュニケーションするか?でしょうね。
つまり「具体的」なリーディングのできない者はプロとは到底謂えない、ということです。
さて「一次連想」とは何か?
これは在る特定のタロットの絵柄の中に描かれている部分・オブジェ・箇所・象徴などを観たときに浮かんできた「単語」のことです。
例えば「魔術師」というカードがドローされたとします。
そこで、「白百合と赤い薔薇が咲き乱れている」部分に注目した結果として、「コミュニケーションをよくする」と浮かんできたとします。
これが一次連想になるのです。
よって観る部分によって、タロッティストの知識・経験によって一次連想は異なります。
例えば、「魔術師」がドローされた場合の一次連想を適当に挙げてみましょう。
●「1」という数字から「スタート」
●「魔術師」というカードの名前から「実験・検証」「化学者」「錬金術師」「驚かせる」
●「机の上の剣・金貨・聖杯・棒から、四大元素が材料なので、「複数の話題」「あらゆる角度から観る」「多くのツールを使う」
●「魔術師」の男の鉢巻きから「根性」「覚悟を決める」
●「魔術師」の男の向かって左手から、「上を向く」「火を使う」「指揮する」
●「魔術師」の男の向かって右手から、「集中」「ここに留まる」「落ち着く」
●「魔術師」の頭の上のインフィニティから、「無限」「無償」「諦めない」、逆に腰のウロボヌスの蛇も無限というアトリビュートなので、「女性的な要素を伴った無限・無償・諦め無さ」
●上部の赤い薔薇が魔術師を囲っている部分から、「花束」「花を愛でる」「花見」「男に囲まれる」「男に守られる」(赤い薔薇=男というアトリビュート)
●魔術師の顔付きから、「意志が堅い」(でも頑固では無い)「まっすぐ見つめる」
・・・・
といったように一次連想が出てきます。
もちろん、この一次連想は私の知識・経験を元に浮かんできた「単語」「短文」です。
また、この一次連想で、具体的な映像が頭に浮かんでいますか?
間違い無く浮かんでいません。
逆にこれら抽象言語で、長編小説の如く映像がまざまざと浮かぶなら、その者は天才です。
※実際にキルケゴールという哲学者は、成人するまで一歩も家を出たことがありません。すべて想像して出来事を理解できた天才です。
意味を憶えて当てはめて占うタロット占い師は、この一次連想で終わります。
なぜなら、教本でも講座でもスクールでも「意味」を暗記させるだけだからです。
「意味を謂えば、もう鑑定は終わり」という風潮ができてしまっているわけです。
さて「二次連想」です。
一次連想の中から、復縁のアドバイスとして最適な単語を選びます。
例えばここでは「男に囲まれる」という一次連想を選んでみます。
※実はどの一次連想を選んでも、最終的には素晴らしいアドバイスをリーディングできるのです。
ここで「男に囲まれる」とは、具体的にどのような状態・状況を描いているのか?という質問思考(自問自答)をします。
男は異性ですよね。異性はゲイなども含まれます。また「男性的な要素」と考えてもいいでしょう。「勇気」「行動」「冒険」「開拓精神」・・と多くのことばが浮かんできます。
問題は「囲まれる」です。
囲まれるとは、単に複数の異性が自分の周囲に纏わり付いていることではありません。
「囲まれる」とは、「違う人間の意見を聞く」「相手は異性なので相手の立場で自分心に世界感を創る」「男性という性質を理解する」
ということではないでしょうか!
すると二次連想では・・
「多くの男性(父・祖父・従兄弟・友人)に男ってどういう性格や性質があるのかを聴き、男性という相手の立場になって考え、自分自身(相談者のこと)も男らしく勇気を持って、いろいろなコミュニケーションの方法や相手の嗜好に合わせた姿勢・態度が必用である」
となっていきます。
どうですか?
一次連想よりもはるかに「映像」として頭に浮かんできませんか?
私ならさらに三次連想もします。
「コミュニケーションとは?」
「相手の嗜好を探す具体的な方法は?」
「男という生物をどのように自分なりに理解するかの方法は?」
「勇気を出すには?」
「態度・姿勢とは?」
というように、もっともっと具体的になります。
先ほど「一次連想よりもはるかに「映像」として頭に浮かんできませんか?」と記載しましたが、
実は逆です。
映像として頭の中に浮かんでいないと、このような具体的な文章が出てこないということです。
結論として、一次連想で鑑定が終わることはあり得ない。
その一次連想のキーワードを、自問自答しながら、頭の中に具体的な映像を作り出していく。
その映像をさらに詳しく描写し、言葉として表現する。
これが連想法タロットリーディング法です。
連想が映像のように膨らまないのは、貴方が「自問自答」しないからです。
これをビジネスでは「質問思考」と謂いますね。
さらに・・・
この一連の作業を一瞬で行うのがタロットリーディングです。
だからこそ、訓練が必用であり自己投資をしない者には、永久にタロットは読めないのです。
コメント