キリスト教とタロットの相関関係その2

さて、聖バレンタインの続きです。
聖バレンタインは、バレンタインデーの由来もあり、
現代では非常に人気の聖人ですね。
ただ、バレンタインデーは中世からのお祭りなんですね。
以外に昔からあったわけです。
当時も恋人達が贈り物を交わす日でした。

ただこの「贈り物交換」の起源は、古代ローマ時代の豊穣祈願祭ルベルガリアという説もあります。
日も2月14日ですし。
ルベルガリアはギリシャ神話のパン（上半身は人間で、下半身は山羊）から由来しています。
パンは好色で有名なので、大っぴらに性的行為をすることから始まっていますね。
ルベルガリアでは、青年達が女性の名前を記したくじを引いて、公に性的行為が許された日です。
もちろん中世ではこんなことはあり得ませんが。
ただ、意中の異性に対して「恋文」を贈る日となったわけです。

ただチョコレートは贈りませんね。（笑）
まだマイナーデビューです。
それ以前はメジャーデビューはしていませんでしたね。



聖バレンタイン（ローマ読みではバレンティヌス）は紀元3世紀頃の人です。
司祭でしたね。もちろんキリスト教のです。

ご多分に漏れず、聖バレンタインも殉教の人です。
殉教とはキリスト教、強いて言えばイエス・キリストの信仰のために死した人間のことです。


バレンタインデーの由来とは、全く関係が無く、聖バレンタインは時の人となりますね。
いつのまにか伝承や古代の祭りと結びつけられた感じです。
キリスト教会も、「まあ、キリスト教義に反しないからいいや！」ってなわけで容認されました。
やがて、「恋人達の守護聖人」となるわけです。


起源3世紀となれば・・ローマが隆盛を誇った時代です。
後にキリスト教はローマの公教にはなりましたが、
当時としては新興宗教と考えられても可笑しくはありませんよね。


聖バレンタインは３世紀の後半、キリスト教の博愛精神を何とかローマ国内に広めるために奔走していたんです。
聖バレンタインはローマの兵士たちの間で結婚が認められないという現実を目の当たりにしました。
その事に大いなる矛盾を感じたんですね。
そして若い兵士達の思いを入れて、密かに兵士達を結婚させたのです。
しかしですよ。
ローマ法は絶対。
兵士の結婚は、完璧に違法です。
それを影で奨励し認めた聖バレンタインは、牢獄送りとなるのは当然でしょう。


当然の如くバレンタインは、ローマ法の裁きというニュアンスよりも、
自らの信仰心イエス・キリストの教えに従い、アガペー（日本語では博愛主義と翻訳されます）を貫くことによって、
紀元269年2月14日に処刑されてしまうわけです。


もちろん、この逸話は聖バレンタインの生涯の一部の出来事です。
ただ、この一部分が恋愛の守護者たる存在として広まったわけですね。


実はバレンタインにはもう一つ秘話があります。
それは次回にご紹介しましょう。

■追記■

タロットでは恋愛にまつわるカードと言えば・・・
「恋人たち（Lovers）」「カップエース」「カップ2」が筆頭でしょう。
※厳密には恋愛というニュアンスだけではありませんが。

「恋人たち」は旧約聖書のアダムとイブを描いていますね。
「カップ2」は見た目で恋愛っぽいなとわかるでしょう。

「カップエース」も非常に愛情豊かなカードです。
鳩は平和の象徴ですが、聖書にも書かれています。
「鳩のように素直に。蛇のように賢くありなさい。」とです。
さらに・・・
鳩が口に咥えているのは聖麺麭です。


ウェハースですね。白いウェハースに十字の烙印を押しています。
これは聖書で言う「最後の晩餐」ですね。
御身イエスは、ゴルゴダの丘で磔になる前日に、
十二人の弟子と過ぎ越しの祭りの祝いの宴をします。



有名な言葉としてご存知の方も多いでしょう。

”御身イエスは麺麭をちぎって弟子たちに分け与えました。「これは私の肉なり」”
”それから葡萄酒を杯に入れて弟子たちに飲み回せました。「これは私の血なり」”
この儀式は、御身イエスが十字架に磔にされて、全人類の原罪をつぐなうことを示すものです。
完璧なる愛ですね。

すなわち、「カップエース」には最後の晩餐シーンも描かれているということです。
まさにキリスト教チックなカードですね。

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