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タロット大アルカナ「6」番目のカードは「恋人達」です。
この絵のモチーフは「エデンの園のアダムとイブ」ですね。これも旧約聖書っぽいカードです。
「愚者」は女性・男性と逢い、次に恋人達を目にします。もしくは自分に恋人が出来たかもしれません。
「恋人達」の構造も、大天使ミカエルとアダム・イブを結んだ三角形です。
一般に「恋人達」は恋愛成就のベストカードと言われていますが、実際はどんなメッセージがあるのでしょうか?
その前に「エデンの園」について、ちょっと説明しておきます。
主は土からアダムを作りました。アダムだけでは寂しそうなので、次にリリスという女性を作ります。しかし、リリスは肉欲の権化でした。結果的にルシファー(サタン)の妻になります。そこで主は、アダムの肋骨からイブを作るわけです。これは遺伝子が、男性はX遺伝子が1つ少なくY遺伝子になっていることと相関しますね。
主は「生命の樹(セフィロトの樹)の実」は食して構わないが、「智恵の樹の実」は決して食さないように命じます。
しかしルシファーの誘惑で、イブが智恵の樹の実を食べてしまうのです。それを観ていたアダムも恐る恐る食べます。
主の言いつけを破った二人は、エデンの園を追い出されます。追い出したのはミカエルともウリエルとも言われています。
そして人間に「死」がもたらされ、働かなければ食べることができないという原罪を背負うことになったのです。
タロット「恋人達」は、まだ蛇(ルシファー)に誘惑される前です。それは、身体が全て生まれたままの状態であることからわかります。
智恵の樹の実を食べると、恥辱が生まれるので、性器を隠すようになるからです。
当然、イブの後ろの樹は智恵の樹。アダムの後ろの樹はセフィロトの樹です。
そして大天使ミカエルが二人を祝福しています。何を祝福しているか?と自問自答してみましょう。
二人がまだ純粋であること。二人が仲むつまじく生きていることを祝福していると私は考えます。よって純粋な愛の成就という連想が出てくるわけですね。
さて、アダムの視線はイブに。イブはミカエルを見上げています。これはなぜか?
男は女を通じてしか、天に至ることができないからです。実際に男を産むのは女です。
ここでもう1つの重要なメッセージが隠されています。
天を選ぶか、ルシファーを選ぶかです。すなわち選択というメッセージが隠されているわけです。あくまでも二者択一です。
この選択に関しては、マルセイユ版のほうが分かり易いでしょう。
男は年増の女性に顔を向けつつ、若い女性を手で触っています。且つ、恋愛の女神ビーナスの息子であるエロス(キューピッド)は、恋の矢をまだ放っていません。
ここからも二者択一のイメージが浮かぶでしょう。
ウェイト・スミス版では、まだ観るべきところがたくさんあります。
なだらかな遠景の赤い山。黄色の蛇。ミカエルの後部にある輝く太陽。これは読者さん自身が連想してみてください。
重要なのは、自問自答。「なぜ蛇は黄色なのか?」「なぜ山はなだらかなのか?」「赤いのか?」という具合にです。
そこから答えが見つかります。
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